珍獣奇獣めにゅー、ぱーとすりー! こんかいはちこっとブラックめ! 使うまほうも黒魔法でぇ〜す! え”・・おもしろくないですか・・ 気にせずにいってみよー!!(こら)まず、豚さんなり何なり、丸焼き若しくは丸煮込みをするつもりの動物を連れてきて、潰します。 今回は豚さんだということにして話を進めます。 このとき手足の筋を切らないようにご注意ください。 死亡が確認できたら、その死体を速やかにズンビーにし、起き上がらせます。 知能は低め、耐久度は高めにしましょう。極端に言えば何も言わない間は止まってるようなものでもよいですから、その代わり細切れになっても動くようなものにするべきです。 間違っても魂を持たせてはいけません。魂の苦悶が味を引き立たせるとおっしゃるなら止めはしませんが。 通例ですとここで防腐措置を施しますが、今回は食べ物になるのですからそれはできません。 腐敗が始まるまでの時間との勝負で、持てる黒魔法の粋を尽くして最高のズンビーを作ってください。 儀式に用いる墨も、あとで洗い流せてかつお腹に入っても問題ないように、烏賊の墨などを使えればベストです。 立ち上がった食材ズンビーをよく洗い、調理用の印が必要ならこのとき付けます。火を通すための切れ込みや煮込み前の内臓処理もこのとき行ってください。ズンビーを静止させておけば普通の調理と何ら変わらないはずです。 (ひっくり返すときだけ自分でやらせれば一層楽になります。) 焼き豚を作るなら、縄目を作っておきましょう。ただしその縄の端は今縛らずにくわえさせておいてください。 シチューや釜焼き料理なら、詰め物を詰めたあと、腹の入れ口をズンビー自身に支えさせておきましょう。 さて、素材の加工が終わったら、加熱のステージです。十分に大きなオーブンの中、鍋の中、釜の中にズンビーを入れます(入らせます)。 然る後に、焼け加減・煮込み加減を推測しながら、適宜ズンビーにひっくり返ったり移動したり、詰め物の一部をスープに落としたりさせて下さい。かくして、ズンビー自身が主食材となる肉料理が完成していきます。 丈夫なズンビーほど、こちらの言うことを最後まで聞ける事は言うまでもありません。 料理が出来たら、火を落とし、ズンビーを外に出します。相当程度料理長の術の練りが深くないと、このころにはズンビーはさすがに満足には動けなくなっているでしょうから、こちらが働く必要があります。 出てきたズンビーを最後に食事用に刻みます。姿焼きならそのままで構いません。 何度も申し上げますが、ズンビーに擬似的な魂を入れた場合、様々な段階で問題が発生します。 この最後の切断加工もその際たるものの1つです。 この時点で術を解除してもよいのですが、焼き物の踊り食いという他では味わえない体験はこの料理の醍醐味ですから、そのままの方がよいでしょう。術が練れていれば、お召し上がりになるお客様に姿焼きがにっこり微笑むと言う演出も可能です。 活きの良いハム、焼肉又はシチューをお楽しみください。 なお、この「ズンビーヒーティング」法を用いた料理一般に言える事ですが、この調理法を知らない方、特に心臓や神経に問題のある方にはお勧めしないほうが無難です。
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