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‘白銀狼”ウィンドルフ・J・ミスト - 陽射し亭通信 #6

ヴィルヴァレン古戦場跡。
ここでは、はるか昔、一体の魔物とゼノバルク帝国との壮絶な戦いがあった。
その戦いがヴィルヴァレン戦役である。

帝国の魔法使いが一体の魔物を召喚した。
それは、先住民である獣人族をこの地から追放するためのものであった。
魔物はヴィルヴァレンと呼ばれた。
この魔物は魔力をあたえると魔法使いの言うことにおとなしく従った。
魔物の力は強大で、一日で獣人族の先発部隊を全滅させた。
人々は戦の勝利を確信していた。
しかし、その反面、魔物は大量の魔力を要求した。
魔法使いは勝利のために自分の全ての魔力をさしだした。
ところが、少しして魔物はもう魔法使いに魔力がない事を知ると怒り狂った。
城を破壊し、帝国の人々、獣人族、全てを皆殺しにしようとした。
戦は帝国と獣人という国の中の戦ではなく魔物とゼノバルク帝国に変わっていた。
魔物の攻撃により帝国は滅びかけていた。
そんなとき魔物に戦いを挑んだ一人の獣人がいた。
名をウィンドルフ・J・ミスト
獣人族最強の戦士。
彼の毛皮は銀色だったので‘白銀狼”と呼ばれていた。
武器は巨大なハンマーだった。
人間なら振ることすら、もし振れても実戦で使うことは不可能なものである。
だが、彼には使うことができた。
人間の数十倍の力が在ったからこそだった。
激戦の末彼はヴィルヴァレンを死の直前まで追い詰めた。

自爆。
それがヴィルヴァレンの選択だった。
膨大な魔力がすべてを吹き飛ばした。
その結果ゼノバルク帝国は魔の森に変貌したのである。
しかしウィンドルフがいなければ他の地域も破壊されていたかもしれない。
「英雄」‘白銀狼”ウィンドルフ・J・ミスト
彼の魂は今もヴィルヴァレン古戦場跡でさまよい続ける。


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